【怖い話】草むらに佇む者

これは私が実際に体験した話です

数年前のことでした。深夜に目が覚めてトイレに向かい、
用を足してからもどろうとすると、開いていた窓からふと視線を感じました。

何だろうと思い外を見ると、家に隣接している草むらに人影が見えました。
その人影はゆらゆらと揺れていて、真っ暗なはずなのにくっきりと黒い影として見えるのです。
恐ろしくなって視線を外し、
もう一度その影を見ようと草むらに目をやると、その影は少しこちらに近づいていました。

近づいたはずなのに相変わらず姿が黒いままで正体は分かりません。
そのまま見つめ合うようにしていましたが、
ふいに飼っていた犬が泣いたのでそちらに目をやって、
もう一度人影を見ようとすると、その影は消えていました。

藪はかなり深く、人が移動するには必ずガサガサという音が鳴るので
その影が音を鳴らさずに移動したということになります。

あれは一体何だったのでしょう