【足売りばぁさん】夕暮れ時に現れ足を売ろうとする奇怪な老婆

2025年9月16日

謎めいた足売りばぁさんとは何者か?

夕暮れ時、静かな住宅街や下校路でひっそりと現れると噂される 「足売りばぁさん」。彼女は大きな風呂敷包みを背負いながら、通行人に「足いらんかえ?」と話しかける怪異です。その声が響くと、一瞬のうちに恐怖の出来事が始まる…そんな都市伝説が全国各地で語り継がれてきました。

足売りばぁさんはただの老婆ではありません。伝説では、 「いいえ」と答えれば、怪力で足を引きちぎられる 「はい」と答えれば、不要な足を一本無理やり増やされる という二者択一の恐ろしい罠に落とされるのです。つまり「はい」「いいえ」どちらの返答も不幸をもたらし、唯一の生き残り方は「いらないので、○○のところへ行ってください」と伝えることだと言われています。

この謎めいた老婆の正体はどこから来たのか、なぜこの恐ろしい問い掛けが生まれたのか。足売りばぁさんの伝説の背景に迫ってみましょう。 ## 足売りばぁさんの起源と伝播:戦後から都市化の影

足売りばぁさんの話が日本で語られ始めたのは、およそ昭和30〜40年代の高度経済成長期以降の地方都市に端を発すると言われています。

当時の日本は都市化が急激に進み、工業地帯や団地が新たに形成されていきました。そうした再開発が進んだ地域に住む子どもたちの間で、 「知らない老婆に声を掛けられて、片足を失う」 「路地裏で迷子になる」 といった恐怖話が広まりました。

この都市伝説は『都市の影』のように、急激な社会変化に戸惑う人々の心理を映し出しているとも考えられています。昭和のレトロな街並みや団地の薄暗い影が、足売りばぁさんの存在感を増幅させたのです。 ## 足売りばぁさんに会ったらどうする?恐怖の二者択一

足売りばぁさんの最大の特徴は、問いに対して答え方で自分の運命が決まる「恐怖の二者択一」にあります。

典型的なシチュエーション

道端で突然、背負った風呂敷包みを揺らしながら「足いらんかえ?」と話しかけられます。 「いいえ」と答えれば:老婆の怪力で足をねじ切られて奪われてしまい、怪談ではその子は片足を失って戻ってくるとされる。 「はい」と答えれば:余計な一本の足を無理やりくっつけられる。追加された足は不自然で、歩くのも困難になると語られています。

助かるための唯一の返答

唯一安全な答えは、「私はいらないので、○○さん(他の誰かの名前)に行ってください」と、他者へ“押し付ける”答え方だと言われています。これは自分の身を守るために誰かを巻き込むことを意味し、背筋が寒くなる教訓になっています。 ## 都市伝説としての足売りばぁさんに秘められた深い意味

足売りばぁさんの話はただ怖がらせるだけの怪談ではありません。そこには地域や時代の背景が深く反映されています。

社会の変化と孤独 急速な都市化に伴い、子どもたちの遊び場が失われたり、人間関係が希薄になった社会において、「突然現れる怪物」は不安や孤独の象徴と解釈できる。 「片足を切り取られる」という表現は、何か大切なものを奪われる恐怖を暗示しており、幼少期の無防備な時間帯に直面する危険を強調しているとも言えます。

実は助け合いと友情の教訓かもしれない

唯一の生き延びる返答が他者を指定することから、都市伝説は「一人で抱え込まず、誰かと助け合ったり繋がりを持ちなさい」とのメッセージが込められているのかもしれません。

この不気味な老婆は、実は人間の弱さや社会的孤立に対する警告とも捉えられるのです。 ## 体験談から見た足売りばぁさんのリアルな恐怖

筆者の知人も学生時代に似た体験をしたと言います。

その日の放課後、薄暗い路地を一人で帰宅していたところ、背中に大きな風呂敷を背負った老婆がふと現れました。

「足いらんかえ?」と言われた瞬間、彼は恐怖で言葉が詰まり、「いらない」と答えたそうです。

すると老婆が恐ろしい顔になり、彼の足元を掴もうとした瞬間、偶然通りかかった友人が声をかけたために難を逃れたそうです。

「もし1秒でも遅れていたら…」と今でも語るほど強烈な体験で、まさにこの都市伝説の恐怖を身をもって味わった例と言えるでしょう。 ## まとめ:足売りばぁさんはただの怪談以上の存在

足売りばぁさんは、昭和の急速な都市化という社会背景と、子どもたちの不安や孤独を映し出す都市伝説です。その奇怪な老婆が問いかける「足いらんかえ?」という二択は、表向きの恐怖だけでなく、 社会の変化に対する不安 人と人との繋がりの大切さ を示唆していると考えることもできます。

もしあなたが夕暮れの下校路で足売りばぁさんに遭遇したら…声の意味を深く考え、自分だけでなく誰かと助け合う心構えを持つことが最も大切かもしれません。

怪談ファンも初めて聞く方も、この老婆の姿に秘められた意味を感じ取りながら、次に語られる怪談の闇へと一歩踏み出してみてはいかがでしょうか。